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2008年10月 9日 (木)

「知っておきたい緩和医療」を読んで

尊厳死協会の会員になって数年経つと思います。会員になるとリビング・ウイルという小雑誌が送られてきます。病院の情報や講演会の抜粋など書かれていますが、今回のリビング・ウイルNo.131の中にあった松原アーバンクリニック(東京)ホスピス医大津秀一さんの講演(関東甲信支部年次大会)の記事には考えさせられました。

以下抜粋です。

二週間ほど前、八十代男性の肺がん患者が入院してきた。胸水が右の肺全体を覆っている。この患者は今年二月、大きな病院でステージⅥ、肺がんの末期と診断され、抗がん剤投与されたが効果がなかった。その病院では胸水を抜かなくてはと言われ、週一回胸に針を刺して水を抜いていた。しかし病状が進行して体力もだんだん衰弱し、家での療養も難しくなったため、僕が勤務するクリニックに紹介されてきた。男性はベットで寝たきりで息苦しそうで、「とにかく楽にして欲しい」と言う。長い間介護してきた娘さんの疲労も激しかった。それが二週間たったいま、普通にトイレに行けるし、散歩もできる。何をしたかというと緩和医療という医療である。この医療には針で胸水をぬかなくてもたまってこない良い方法がある。(略)娘さんも喜び、「先生、いったいどんなマジックを使ったんですか」と聞く。僕がしたことはたった一つ、点滴にある薬を混ぜただけである。それも高価な薬ではなく、保険で使える普通の薬剤だ。このようにちょっとした医療上の工夫で、患者の見た目の「元気の具合」がまるで違ってくる。患者が俄然元気になると家族もうれしいと思う。

さて、「希望どおりの最期」を実現するには、終末期を迎えるに当たり四つのことを知っておいたほうがいい。患者さんを診てきて私なりの経験則からのまとめでおそらくこの四つを押さえておけば「みじめでない死を迎える」可能性が高くなる。

四つの知っておくべき事
・苦痛の少ない最期を迎えるために必要な事・・・

・1病気の正しい理解
・2がん告知、終末期に対するシミュレーション
  及び家族との良好なコミュニケーション
・3緩和医療受ける事
・4望まない延命治療を拒否する事

緩和医療の「今」と「昔」がある。「がんを治しましょう」と抗がん剤治療をいていて効かなくなると、突然「緩和ケア病棟やホスピスに行ってください」と言われ、患者も戸惑うなかで緩和医療に急に切り替わる。これも「昔」の緩和医療(今もまだ多いが)とすれば、痛みや苦しみは最初から取り除き、緩和医療の比重を徐々に増やしていくのが「今」の緩和医療。日本のがん医療はこのようにならないといけない。
がんの患者さんの苦痛症状というと、痛み、だるさ、食欲不振、呼吸困難などがあり、お腹に水がたまったり足にむくみが出たりする可能性もある。この中で最も頻度が多いのは何だと思いますか。ちょっと手を上げて下さい。
(略)実は死の二週間でも痛みがでるのは全体の七十%ぐらい。約四人に1人程度は最後まで痛みが出ないのに対し、だるさや食欲のなさは九十%以上ほとんどの人に出る。(略)ここから導き出される緩和医療の使命は、病気の早い段階では主に痛みの緩和であり、その後の段階では痛みだけではなくだるさや食欲不振などの多様の苦痛症状を和らげることにある。その目的で使う薬剤として、医療用麻薬(モルヒネ等)、ステロイド、鎮痛補助薬などが挙げられる。

終末期の実例を見てきて思うことは、終末医療で一番大切なのは豊富かつ良質なコミュニケーションである。日本は「お任せします」に象徴される委ねる傾向が強い文化だが、「先生に」「家族に」と任せられた人が必ずしも同じ方針を考えているとは限らない。」

患者さんが苦しめば、周囲の家族達も後まで苦しむ事になる。教科書通りのどこで受けても同じ治療というのはもうやめて、その人にあった治療をしてくれる病院、医師を探したいと思いました。そして、家族とは年に一回でも終末医療に対する自分の意思をはっきり示し、つらいことでも話していける関係を築く必要性を感じました。

重い話題の後に、けなげなお花達の写真です。一つはヒルガオで、線路の中に咲いていました。もう一つはオイラン草。一度咲き終わったので切りそろえたら、又再び元気に咲いてくれました。

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コメント

大変、参考になりました・・・色々、学んでおく事が大切ですねェ~
知ってさえいれば、選択の余地もありますが~・・・
父の最期を思い出して、いまだに悔やまれてなりませんが、まずは病院(医者)選びのスタートが肝心な事だと思いました。

投稿: 花舞 | 2008年10月15日 (水) 18時28分

花舞さん

日本人は痛さを我慢するということが美徳と思われてきましたが、痛さは人によって千差万別だと思います。
こうあるべきと決められているのは辛いことだと思います。
やっと自分にフィットするお医者さんがいてくれた、と思って
今回取り上げさせて頂きました。
願わくばこういう先生、そして病院が増えてくれると良いですね。
いざという時は、お互いのネットワークを張って情報を交換しあいましょうね。

投稿: エムズのひとり言 | 2008年10月15日 (水) 21時46分

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