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2008年7月 4日 (金)

グループホームの火災、その後

障害者の方が7人で住む、グループホームで火災があり3人が死亡、1人が重傷という痛ましい事件が起こりました。以下は新聞の抜粋です。

障害者施設で火災 3人死亡、宿直不在/神奈川・綾瀬」(読売新聞2008/6/2)
2日午前2時30分ごろ、神奈川県綾瀬市寺尾北、知的障害者のグループホーム「ハイムひまわり」から出火、木造2階建ての同ホーム315平方メートルを全焼、隣接する民家1棟も焼き、約5時間後に鎮火した。同ホームの焼け跡から入所者7人のうち、男女3人が遺体で見つかった。ほかに1人が重傷。・・・・
火災当時、同ホームには7人全員がいたが、1階の2人と2階の1人は逃げて無事だった。・・・
運営する社会福祉法人聖音会などによると、「ハイムひまわり」は1994年8月に開所。計8部屋あり、51歳~69歳の軽度の知的障害者が入所していた。男性3人、女性4人で、綾瀬市や近隣市町の人という。入所者は、平日の日中に仕事や作業などで外出する以外は、同ホームで過ごしていた。普段は職員1人が1階の管理人室で夜間の宿直にあたるが、1日夜からは休暇をとって旅行中だったため、不在だった。
同ホームには火災報知機やスプリンクラーは設置されていなかったという。県によると、障害者向けのグループホームの人員配置は厚生労働省令で定めており、宿直はサービスで義務にはなっていない。・・」

この火災についてある冊子にこんな意見がありました。書いているのは松友 了さんという全日本手をつなぐ育成会常務理事をしている方で、その方のご意見を抜粋したものです。尚、原因は今のところ放火という疑いが強いそうです。

「まず初めに、3人のご冥福とお怪我の一日も早い回復をお祈り申し上げます。
報道の視点は、「防火装備が不十分」であり、消防庁は施設としての設置義務があったと指摘している、という方向が強まっています。犠牲者の事実に即して、管理者の責任を問う、いやそもそもグループホームが心配だ、という流れです。
 「安心・安全」を願うことは当然です。そのために、万全の策が考慮されるのは理解できることであり、期待されるものです。しかし、それだけで良いのでしょうか。真綿で包み、箱入りの状態であれば、少なくとも「豊かな」人生は望めません。
 米国で始まった自立生活(Independent Living / IL)運動の主旨の一つに「リスク(危険性)の享受」というものがあり、深く感動したことを思い出します。人間らしい生き方には危険がつきものであるが、それを恐れてはいけなというものです。
 求められているのは、豊かな人間らしい暮らしであり、それを安全に保障する必要があります。
不幸な火災に乗じて、入居施設への後戻りを示唆することは、文字通りの「火事場どろぼう」の理論であり、決して許されることではありません。」

この火災で相模原市消防局は5日、2日未明に綾瀬市内で発生した障害者グループホームの火災を受け、相模原市内のグループホーム62カ所に立ち入り調査を始め、消防設備を確認したそうです。
もちろん安全・設備の確認は必要なことですが、どうも一番手の付けやすいところから始めて、論点を摩り替えてしまうような気がします。
グループホームやケアハウスに住み、地域で暮らし、自立して行こうという障害者にとってますます道を閉ざしていく方向に行ってしまうのはなぜでしょう。隔離して生活していれば本当に安全なのでしょうか。それでなくても経営の苦しい施設にますますの負担を強いる事だけが公共のやるべきことなのでしょうか。みんなで知恵を出し合う工夫をしていくことが大切なのでしょうが、こんな方向だけが解決だとしたらますます“日本は住みにくい、生きにくい”場所になるのだと思います。そして、結局原点を見据えない解決だけだとすると障害を持っている人たちだけではなく、すべての人にとって“日本は住みにくい、生きにくい”場所になっていくのだと思います。

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